2013.04.01
経営
サービス産業が増加し、製造業などにおいてもアフターサービスなどの重要性が増しています。サービスの特性を十分に理解し、それぞれに対策をたてておくことが重要です。
形がなく、目で見たり触ったりすることができないという特性です。初めていく美容院やマッサージ店などではどういった技術を提供してもらえるのか、実際にサービスの提供を受けてみないとわかりませんね。
サービスの提供者とサービスを受ける人がその場にいなければ実施できないという特性です。この特性によって、非貯蔵性や需要の集中が問題になります。また、その場にいる必要があるということは提供するサービスそのものだけでなく、店の雰囲気や接客も重要になってくるということです。
誰が、いつサービスを提供するかによって質が異なる可能性が大きく、質の均一性が保ちにくいという特性です。美容院のベテラン美容師とカットを始めたばかりの新人美容師では技術の差があります。また、同じ美容師であっても忙しい時間帯と時間に余裕のある時間帯ではサービスの質が全く同じとはいえません。
一度提供したサービスをとりやめることができないという特性です。美容院、マッサージ、歯科診療などを考えてもらうとイメージがつきやすいでしょうか。サービスに納得がいかなかった場合でも、返品というわけにはいきません。もちろん、納得いかない場合は代金を返却することはありますが、提供したサービスを取りやめにすることはできません。
生産と消費が同時に行われるため、在庫を持つことができないという特性です。在庫をもつことができないので、来店が集中した場合にどのような対策をとるのか、また来店が集中しないように分散させる工夫も重要になります。
需要量が季節、週、一日の時間帯などによってかなり変動するという特性です。これも同時性に由来します。サービスの提供には一定の人員が必要ですが、一日の間でも需要が集中する時間帯とそうでない時間帯があります。需要量の増減にどう対応するかも重要になります。
サービスの特性の分類は諸説ありますが、重要なのは①無形性②生産と消費の同時性③異質性です。その他の特性は、これらの特性によって生じているものです。
こうしたサービスの特性について理解し、どういった対策が考えられるのか十分に検討することが、顧客満足度の向上につながります。
2013.04.01