2014.10.30
経営
「稼ぐための仕事」と「将来につながる仕事」の両方が大事です。
バランスをとりましょう。
これが、この後長々書くことの結論です。笑。
PPM、プロダクトポートフォリオマネジメントとは事業を「市場全体の成長率」と「その事業の市場シェア」の2軸で評価し、事業ごとの経営資源配分を考えるためのツールです。
詳細の説明は他の書籍やサイトに任せますが、それぞれの特徴は以下の通りです。
問題児・・・市場成長率が高いが、市場占有率は低い
花形・・・市場成長率が高く、市場占有率も高い
金のなる木・・・市場成長率は低いが、市場占有率は高い
負け犬・・・市場成長率は低く、市場占有率も低い
言葉や内容を聞いたことがある人は多いかもしれませんね。
でも、通常具体例として説明される製品は大手企業の製品なので、中小企業で実際にどのように使うのかピンとこないことが多いと思います。
ちなみに先日の中小企業診断士二次試験でズバリ出題されました。
中小企業である旅行会社が、自社のツアー事業をPPMを使って整理し、今後どの事業に経営資源を集中していくべきかを問う問題で、イメージがつきやすく、PPMを理解するのによい問題だなと思います。
少なくとも私は一生忘れません。(^^;)
旅行会社B社は、2000年時点で以下の2つの事業をしています。
・一般向けツアー
・海外研修ツアー
一般向けツアーは現実の通り市場成長率は低いのですが、社長の能力が高く、市内における競合に比べて高いシェアを誇っています。なので、一般向けツアーは「金のなる木」に該当します。
海外研修ツアーは市内の中小企業者向けのツアーで要望に応じ高い成長率を誇るとともに、競合に比べ高いシェアを誇っています。なので海外研修ツアーは「花形」に該当します。
一般に、「花形」は市場が成長段階にあるのでシェアを維持しようとすれば、多くの投資も必要とします。つまりキャッシュアウトが多くなるケースが多いといえます。
反対に、「金のなる木」は市場は成熟期を迎え、シェアも確保しているので、キャッシュインが期待できます。
2014年時点では経営環境が変化し、2つの事業の市場成長率・市場占有率が変化するとともに、新たな事業を追加しています。
・一般向けツアー
・海外研修ツアー
・介護付きツアー
一般向けツアーは、インターネットの旅行サイト等により市場占有率も失われていきます。PPMでは市場成長率と市場占有率がともに低い「負け犬」に該当していきます。
海外研修ツアーも、市場成長率の低下、競合の登場による市場占有率の低下によって、「負け犬」に該当していくこととなります。
その中で、B社は新たな事業の芽となる「介護付きツアー」を育てていきます。以前の顧客がなぜ失われたのか。分析した結果、競合に奪われたのではなく、高齢化による体力的な問題だということが分かりました。このあたりの分析や対処が実際にできる企業が強いですね。
社長自らが介護資格を取得して社員にも取得を促す。最初は少人数の顧客向けに試験的に導入する。入念な準備を経て、介護付きツアー事業を開始します。
この介護付きツアーは市場成長率が高いと見込まれますが、まだ市場占有率が低いですね。PPMでは「問題児」に該当します。
このように、3つの事業のバランスを見ながら、「負け犬」となった事業は募集を減らすなどして経営資源を徐々に減らしていき撤退を始めます。さらに、介護付きツアーをどう「花形」にし、「金のなる木」にしていくか。介護付きツアーの次の事業戦略はどうするのか。
このように事業展開を考える上で、PPMを使えば視覚化することができ、わかりやすく理解できますね。
通常は会社の事業を理解するためのPPMですが、個人にも当てはまりますよね。
目の前の稼ぐための仕事である「金のなる木」は無視できないが、同時に将来の仕事につながる「問題児」も育てていかなければならない。
そのためには新しいことにどんどんチャレンジしていくことが大切ですね。
結局言いたいことは「新しいことにチャレンジしよう!」でしたね。
今日のところはここまで。
2014.10.30