2016.02.05
経営
ものづくり補助金を始め、創業補助金や小規模事業者持続化補助金など、近年は補助金を受けたいと相談される方も多くいらっしゃいます。
しかし、私は補助金をおすすめしていません。
その設備投資は本当に必要ですか?
銀行は設備投資用の資金の貸し出し、コンサルタントは手数料収入があるので、よく補助金を勧めてきます。
そして、補助金をタダでもらえるお金のようにいうことが多いのですが、決してそのようなことはありません。
仮に承認が下りても、入金までにはかなりの時間を要します。そしてその後5年間毎年報告が必要であり、その事務負担はかなりのものです。申請はコンサルタントが手伝ってくれても、報告は自社でしなければならないことがほとんどです。
そして、その事業で利益が出れば補助金を返さなければならない「収益納付」について多くの企業は知らずに補助金申請をしています。
ぜひ、公募要領をよく読んでください。
補助金は国による投資のようなものなので、事業がうまくいけば、補助金の額を限度として返してほしいと考えています。
イメージとしては、無利息の借入と思っておく方が後に納付するときのショックは少ないかもしれませんね。
そして、申請のときに補助金の10%程度の手数料をとるコンサルタントもいるので、その分は利息といえるでしょうか。
要するに、補助金をもらってまったく儲からなければ補助金を全額もらえるかもしれませんが、計画通りに事業が成功すれば補助金は返すことになる。
そのために収支計画を申請書に記載するのです。
返さなくていい場合は、事業が思うように成功しなかったということ。補助金を返したくないがために、それを望みますか?
そういったことを本当に理解して、それでも補助金が有用である場合には利用するのもいいと思います。
再生へ始動「落ちた復興のシンボル」
巨大植物工場は脱・補助金頼みで活路探る
少し話は変わりますが、震災がらみの復興補助金も大きな問題を生んでいます。
「復興のシンボル」として持ち上げられた宮城県名取市の野菜植物工場。
東京のコンサルタントの提案で3億円近い補助金を受けて、普通の農家だった3人が工場運営を始める。
しかし、経営はすぐに破綻してしまいます。
私たちはこの話から学ぶことが多くあるのではないでしょうか。
結局儲かったのはコンサルタントだけです。
補助金がもらえるとなれば、補助金にばかり視点が行くようになります。
経営の王道は何か?
決して補助金ではないと思います。
もっと違う点に目を向けて事業を成長させていきましょう。
2016.02.05