2016.11.15
経営
ミクシィの元代表取締役で業績回復後退任し、スタンフォード大学の客員教授をしている朝倉祐介さん。私も同い年だということに焦りを感じます。笑
さらっと読める本なのかなと思ったのですが、本当に中身の濃い本で、私がぼんやりと考えていることを含め分かりやすい文章で書かれており、何度も読み返しています。
私はいまソーシャルイノベーションに関するお話しをする機会も頂くのですが、「ソーシャル」という言葉を聞くだけで、自分には関係ないなと感じる方もいます。私自身2年前まではそうだったので、その気持ちはよく分かります。
たとえば、「社会性」と「経済性」という言葉で伝わりにくければ、「目的」と「手段」という言葉で伝えたいことのエッセンスは伝わるのかもしれません。
この本で紹介されている「存在理由」と「永続性」もほぼ同義語です。
また、渋沢栄一が「論語」と「算盤」で伝えたかったこともかけ離れている二つの要素が共に大切であるということであり、似た考え方です。
登っている道は違うかもしれませんが、やりたいことは同じだと共感してもらうためにも、このように相手が受け入れてくれそうな言葉のストックを持つのも大切だと感じています。
自分たちだけが特殊な道を登っていると勘違いしたり、周囲にそう思われることはあまり得策ではありません。
自分だけの旗を掲げるのだけれども、実現したいことは皆と通じるものがあるのだということを伝えるということが大切。
ここ最近、CSVをはじめ、こうした二項対立を統合するという考え方をよく見かけるようになりましたが、その中でもこの本は「私」が入っているところが素晴らしいなと感じます。
論語と算盤を用いた経営と個人の生き方。
具体的なテーマを掲げた本というより、朝倉さんの経営についての考え方を通じて生き方を知ることができる本です。
「リスクをとって起業すべきか、会社勤めを続けるべきか」というような質問をよく受けるけれど、といった話で、
「好きにすればええがな」
と毎回感じるというあたりも、個人的に好きなところ。笑
自分でビジネスをしたいと考えている方はぜひ!
2016.11.15