2022.06.08
友だちから見た田中会計
「打ち合わせに来ていただくだけではアレなので、柏原ツアーを企画します!」
この6月に「友だちから見た田中会計」の取材を担当してくれることになった、うっちーさんこと宮内めぐみさん。デザイナー・イラストレーター・ライターとして活動しながら、昨年新たに出張コーヒー屋さんも始めたというバイタリティ溢れる楽しい人です。打ち合わせはzoomでもできるけれど、せっかくならうっちーさんが暮らす大阪府柏原市に行ってみたい。厚かましくも丸一日予定を空けて電車に乗り込んだ私たちは、柏原の魅力にどっぷりはまってしまったのでした。今回は、柏原の個性豊かな人とお店、そしてそこに暮らす田中会計の“友だち”うっちーさんをご紹介します。
田中:ええとこやな柏原。楽しい!まちの人たちとめっちゃ仲良しですね。
宮内:大阪市内での仕事も多いから、ずっと柏原にいるわけではないんですけどね。去年からこの「INSIGHT」っていうフリーペーパーを地元の印刷会社さんたちと作っていて、柏原市内の色んな人に話を聞きに行ってるんです。よかったらどうぞ!
田中:これはライターとして関わってはるんですね、キャッチコピーがうっちーさんらしくていいなぁ。梅田のコワーキングスペースの企画でうっちーさんにインタビューしてもらった記事を読んで、独特な書き方やなぁと思ったんですよね。なんか、すごい主観的で。それがおもしろかったから、うちの記事もお願いしたいなぁって。
わかるわぁ〜。と、深く頷いた私に、「お、これはちょっと飲みにいかなあかんですね、ははは」と裏表なくケラケラ笑う田中さん。 周りの人たちがこの人に一目置く意味が、なんとなくわかった気がする。
─ONthe UMEDA「穏坐な人々」記事より
宮内:あのやり方は、私にとってもけっこう実験的だったんです。劇的な感じで書きたくて。クセ強すぎたかなって思ってたから、気に入ってもらえてよかった(笑)。自由にやらせてもらえる場ではけっこうあぁいう書き方をしてるから、好きなんでしょうね。
田中:めっちゃいいと思う。これだけ文章が書けて、デザインもできるっていうのがすごい。もともとはデザイナーからのスタートですよね?
宮内:デザインが先ですね、でも大学は経済学部でした。
田中:デザイン系の出身じゃないんや。
宮内:そうなんです。地元の長野に戻ってアパレルの仕事を3年くらいしたんですけど、もっとクリエイティブな仕事がしたいと思って。退職してから1年勉強して、京都でwebデザイナーとして就職しました。でも、制作会社ではなく事業会社の中の部署で人数も少なかったので、だんだんデザインは外注することが増えて、進行管理や調整ばっかりしないといけなくなってきて。自分で手を動かしたかったし、色んな業界のクリエイティブに関わりたくなって、独立しました。
田中:なるほど。
宮内:文章を書くようになったのはフリーランスになってからですね。お手伝いしていた冊子のちっちゃな枠に、イラスト付きのコラムを書かせてもらえることになって。さくらももこさんみたいなゆるい文章と挿絵で遊ばせてもらってました。
─ 2人の話はまだ続きますが、ここでこの日めぐった柏原のうっちーさんおすすめスポットをご紹介します。
印染めという技法でだんじり祭のはっぴを作る、岡田染工場さん
意匠のデザインも手掛け、型を彫るのも染め付けも一つずつ手作業で行います。「印は曖昧な姿を嫌います。輪郭がぼやけた印は暮らしの中に際立つことがありません。」という言葉にしびれました。田中会計の2人は「はっぴ作ろうか」「Tシャツがいい!」と盛り上がり、うっちーさんは新しいオリジナルデザインのコースターに夢中。コロナ禍で中止が続いていた各地のだんじり祭も、今年は再開できる見込みだそうです。熱い夏になりますね!
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お喋りしたい人が集まってくるメガネ屋TAMARUさん
「左右非対称の素敵なメガネがあるんですよ」とうっちーさんに言われ、興味津々で立ち寄らせてもらった私たち。さまざまな左右非対称を試着した結果、田中慎さんがKakumaruという鯖江製のメガネをお買い上げ。「ほんまに買うの?最短記録やで」とご主人もびっくりの即決でした。道路の向こうまで笑い声が響いていたそうで、常連さんが何事かとのぞきにくる一幕も。お騒がせしました。39,600円をお支払い。いい買い物しましたね!
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道端の地獄絵図
細い路地を抜けた先、道路脇に静かに佇む祠(ほこら)をぐいぐい覗き込む3人。中には世にも恐ろしい地獄絵図が掲げられており、知る人ぞ知る柏原市の名所なんだとか。写真を載せるとたたりがありそうなので、気になる方はぜひ覗きに行ってみてください。
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Nowhere柏原、大正通りネスト、そして大正通りポケットの飲食店の皆さま
趣のある道沿いに素敵なお店や場所がぎゅっと集まっている大正通り。美味しいものがありすぎて、この道を1日の間に何往復したことか。明るい空の下でビールが飲めるなんて最高です!東京から来られた河内音頭の歌い手 五月家 一蘭さんや、近所の子どもたち、トマトのお世話にやってきた大家さんなど、色んな人が通りがかりに声をかけてくださるあたたかい場所でした。
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─ とにかく楽しくて、仕事と遊びの境目を完全に見失った柏原での1日。また行きます!では、続きをどうぞ。
田中:うっちーさんの生き方がいいよね。仕事をめっちゃ楽しんでる感じが。
宮内:楽しいですね。デザインして、ディレクションして、ライティングして、あとは今みたいに地域でわいわいしつつ。
田中:地域でわいわいって。そんな仕事あるんや。
宮内:そっか、そういえば仕事にはなってないかも。仕事とは別ですわ、多分(笑)。今日会った人たちも、柏原を盛り上げようと活動している有志の仲間で。毎月開催される「をかしわらマルシェ」に参加したり、誰かが何かするぞってなったら、皆で得意分野を持ち寄ってわいわいして。そういう場にいるのが好きなんです。
田中:うちの記事も、楽しみながら自由に書いてもらえたら。何を取材してもらうんがいいかな。うっちーさんはどういうことを書くのが好きなん?
宮内:前に三重県の記事がありましたよね。勝手な希望ですけど、行ったことない土地に行きたい!人柄と土地柄が相まって色んな表れ方をしているまちが大好きです。自分で体験して書くのは楽しいし、誰かとお話しして、その人が歩んできたストーリーを書くのも好きです。多分、デザインもライティングも手段の1つでしかないんです。とにかく色んな人の話を聞きたいんだと思う。それを表現する手法にはこだわらないかな。
田中:なるほど。その手法にコーヒーが新たに加わった感じ?
宮内:そうそう。だから、豆にこだわって自家焙煎で、オリジナルブレンドで、っていうコーヒー屋さんになりたいわけじゃなくて。縁側に犬がいて、ゆっくりコーヒーを飲みながら誰かとお喋りする。そんな空間があったらそれだけでハッピーだなぁっていう妄想から、「縁側と犬とコーヒー」という名前をつけました。結局行き着く先は、人と話して何か気づきがあったり、共感したり、そういう場な気がするなぁ。
田中:最高やな。ところで、色んな活動があって忙しい中、なんでうちの仕事を手伝おうと思ってくれたんですか?
宮内:あの夜が楽しかったから……っていうと変な感じになっちゃうけど(笑)。一度、誘ってもらって慎さんやスタッフの方々と飲みましたよね。その時に馬が合ったから。自由に書かせてくれそうだなってすぐにわかったし。
田中:最近、新しく会員になったコワーキングスペースが京都の祇園にあるんやけど、そこに取材に来てもらうのがいいかも。地元の人との交流が生まれるような設計になってて、うっちーさんも好きやと思う。
宮内:あ、楽しそう。行きましょう。
田中:やった、じゃあ決まりで。ほな今日は飲みに行こっか!
─ うっちーさんによる「友だちから見た田中会計」の取材は、6月中旬に実施予定。今度は、ご自身も学生時代から10年以上住んでいたという京都が舞台です。ぜひお楽しみに。柏原の皆さん、ありがとうございました!
協力:
Nowhere柏原 instagram
岡田染工場 web
TAMARU instagram
大正通りポケット instagram
文・写真:柴田 明
2022.06.08