2012.05.21
税務会計
近畿税理士会の研修に参加しました。
「法人税の世界 法律学からの接近」京都大学大学院法学研究科教授 岡村忠生先生
岡村忠生トップページ
5時間の研修でしたが、納税義務の成立や更正の請求、資本の必要性はなにか、資産の評価についてなど盛りだくさんであっという間でした。
岡村先生が余談でお話しされていたことが面白かったのでご紹介。
先日、ニューヨークの弁護士事務所で岡村先生が弁護士向けの研修をしたそうです。
アメリカの弁護士には研修が義務付けられているそうですが、岡村先生の研修は研修単位の認定されなかったそうです。
理由は、先生に『実務経験がない』から。
その話をもとに、大学教授などの実務に携わっていない学者が税理士向けに研修を行うというのがいいのかどうか、検討しなければならないとおっしゃっていました。
研修制度のあり方について議論するつもりはありませんが、個人的には今回のような税務の実務家でない先生の研修はとても勉強になります。
テーマが特殊な場合は、自分が一生遭遇しない事例ではないかと思いますが、今回のように法人税法の根幹となるテーマについては、実務家からは決して聞くことのできないアプローチに触れ、たくさんの気づきを得ます。
テーマについて深い知識がある教授から、実務家が学ぶべきことは多いでしょう。
たとえば、
通則法23条2項の更正の請求の期限の特例で規定されている後発的事由とは一体なにか?帳簿が押収されていて戻ってきたので正確な所得計算をやり直したというのと、忘れていた取引を思い出したというのがどう違うのか?申告後に何かが変化したらそれは全て後発的事由なのではないか?
などという話もなるほどと思いました。
実務をやっているうちに、当たり前のことだったり、疑問に思わないことが増えていきます。自分の固定観念を崩すには、認定研修に限らず、多様な方からお話を聞くことは大事ですね。
内容はかなり高度で専門的ですが、大ホールで席もたくさん余っているので、税理士に限らず職員や一般の方に入って頂いてもいいのではないかと思います。税理士試験勉強中の職員さんや一般企業でも税務に携わったことがある方であれば、間違いなく楽しめると思うのですが。
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そういえば、今日は金環日食でしたね。
運よく家の前からきれいに見れました!
娘は朝早くから外に出れたのが嬉しくて大喜び。追いかけるのに必死で日食はちらちら見た感じでした。
2012.05.21