2024.07.31
freee友だちから見た田中会計顧問先インタビュー
「コミュニティって、人の気持ちやマインドを変えられるものだと思っています」と、真剣な眼差しで話すのは、一般社団法人my turn代表理事で、コミュニティデザイナーの杉原 惠さん。
オンラインが生活に浸透し、地域でのつながりのない寂しさや、人の感情がわからなくなるなどの課題が生じています。そこで、大切な役割を果たすのが、コミュニティデザイナーです。杉原さんは、その職業を「コミュニケーションのプロ」と表現。コミュニティデザイナーを地域から企業にまで展開し、ウェルビーイングな生き方や社会の実現を目指されています。
田中経営会計事務所は、一般社団法人my turn様の創業時からサポートをさせていただいています。今回のブログでは、杉原さんと担当スタッフの武田の対談をお届けします。
親友のような二人の関係は、どのように築かれたのでしょう。そして、杉原さんの事業に武田はどのように伴走してきたのでしょうか。
杉原さん:決算や税、記帳など、会計について全部まるっとお任せしています。毎月1回、必ず武田さんとミーティングを実施して、入力内容を見てもらっていますね。
武田:それね、実は作業が楽になるようなfreee会計の設定と、入力内容のチェックはこちらでやっていますが、記帳はやっていなくてほぼ全てfreeeによる自動登録と、杉原さんご自身で入力されているんですよ!
杉原さん:え、そうなんですか?!てっきり武田さんが対応してくれているのかと思っていました。
武田:そうなんですよ!私はいつも入力間違いがないかのチェックと、数字の動きから事業の動きを確認しています。
杉原さん:びっくりです(笑)私自身、お金のことが苦手で、会計を全部自分でやろうとすると疲弊してしまい、本来の業務に100%のパフォーマンスを発揮できなくなってしまうんです。でも、武田さんがいてくださることで、会計を安心して任せられるようになりました。
また、ミーティングの場では「こうすると、事業が今よりもっと良くなる」など、経営についても前向きな提案もしてもらっています。活動を一つ一つ振り返りながら、進むことができていますね。
杉原さん:事業を起こす前から所長の慎さんと知り合いで、「こういう人と仕事がしたい、ここなら任せられる」と安心感がありました。SILK(京都市ソーシャルイノベーション研究所)を通じて、2016年からつながりがあって。「いつでも相談してええよ」と話しかけてくれるので、自分の言いたいことを言えたんです。
最初から「意識が違うな、温度感が違うな」と感じることはありませんでした。
慎さんの考え方はおもしろくて、私たちと同じ目線で考えてくれます。ほかの税理士さんとは、別のところを見ている人なんだな、近くで伴走してくれる会計事務所もあるんだなと気づくきっかけになりましたね。
そこで、2020年の法人立ち上げと同時に、田中経営会計事務所へサポートを依頼することにしました。法人化前の活動も知ってくれているので、その点でも信頼できるなと感じていました。
杉原さん:気持ちを汲んだパートナーシップを結べて、安心安全を感じる存在ですね。当初から、武田さんが担当で「ナイスアサイン!」と思っています。
会計の大事なところは、しっかりと把握してくれているので安心です。帳簿のこまかい調整なども「ほな、こっちでやっときますわ」という感じで解決策を考え、いざというときにカバーしてくれます。
なので、数字のことをキチキチと言われた覚えはなくて。「いつまでに入力しておいたら、大丈夫ですよ」と声をかけてくれる優しさもあるんです。
武田:お客さんによって成長の解釈は違いますし、成長ではなく現状を維持したいという考えもあります。杉原さんの場合は攻めが得意なので、数字の話は最小限にして、まずは会社や事業をどうしていきたいかを聞くようにしています。
帳簿のお金と実際に動いているお金のずれがあるときや、資金繰りが大丈夫かなというタイミングがあれば声をかけさせてもらいますが、杉原さんとのミーティングでは、未来の話をたくさん聞いて、最後に数字がついてきているかの確認を一緒にするのが良いかなと思っています。
杉原さん:事業を始めて、すごく早い段階から「すべてを自分でやろうとせず、チームのメンバーに割り振りをする、その仕組みを作ったほうがいい」と助言されてきました。お金のことをお任せしている武田さんの言葉なので、すごく印象に残っていますね。
武田:最初に事業の話を聞いたとき、杉原さんが目指す「たくさんのスタッフやチームに活躍の場を作りたい」という熱い思いを感じたんですよ。
杉原さんは、自分で何でも出来てしまう能力があって、事業の成長スピードを考えると自分でやるほうが速いんです。でも、ある程度のタイミングで手放す選択をすることで、杉原さんが思い描いている未来に近づけるんじゃないかな、と思って提案しました。
杉原さん:定例のミーティングで毎回言ってもらうのがちょうどいいんです。自分も関わるのが楽しいから、スタッフへと仕事を手放せないことも多いんですけど。でも、ふと「あ、そうだったな。手放さないとな」と思い出し、原点に立ち戻ることができています。
杉原さん:「親友」みたいな感じですね。my turnのメンバーは、純粋に一つの目的に向かって進んでいく家族のようなチームです。
一方、武田さんとは毎日顔を合わせるわけでも、いつも一緒にいるわけでもありません。だけど、月に一度、現状をちゃんと把握して、数字のことを見守ってもらっていると、家を守ってくれているようで安心できるんです。
武田:会計事務所の人が堅い感じで、常にきっちりと対応されたら緊張しますよね。だからとにかく壁を作らないようにしています。例えば、初歩的なことや同じことを何度聞かれても、できるようになるまで伴走します。
「税務会計以外のことでも、話していいよ」という事務所なので、全然違う話をすることもあります。むしろ、そっちの方が多いかも(笑)
大切にしているのは、支援する側とされる側の壁をなくすこと。壁を作って、相手の考えていることを理解できないままでは、本当の意味で力になれないと思っています。
杉原さん:月に一度ミーティングがあり、会計以外のこともすぐに相談できるところですね。
一般的に、専門家へ何かをお願いすると、支援する・されるの関係になって、境界線が生まれる感じがします。ビジョンを最初に聞いて、「一緒に作っていきましょうね」という姿勢の事務所って、どれくらいあるんだろうと思います。
それに比べて、私たちの関係には境界がないんじゃないかな。毎月の数字の確認と同時に、経営についての「誰に相談したらいいんやろう」と悩んでいるようなことも話すことができます。
my turnの事業には、数字で表せない、目に見えない部分もあるんです。困ったときに相談できる、助けてもらえるという心理的安全性が生まれ、迷うことがなくなりました。
武田:ミーティングでいろんな人の話を聞かせてもらえるのは私たちの仕事の特権で、私自身すごく勉強になり成長できます。その知識を顧問先のみなさんに活かしていきたいなと思っています。
そして、これからは私自身が社外に出ていくことも計画していて、会計に限らずバックオフィスの分野にも力を入れていきたいです。
会計事務所のアシスタントや、会社のバックオフィス担当者、ママさんたちがフルタイムでなくても、出社しなくても、自由にいきいきと働ける環境をつくれたらと考えています。杉原さんのチームのメンバーさんにもママさんがいるので、ゆくゆくは杉原さんの事業ともコラボできたらいいなと構想しています。
杉原さん:良いですね!お互いの強みやリソース、経験をシェアできたらうれしい。my turnも4年目を迎え、育ててきたコミュニティデザイナーによって、地域にコミュニティーが生まれ、徐々にビジネスもできあがってきました。
今後は、企業の中にチームが入り込んで、関係性を築いていきたいと思っています。地域と企業、どちらのコミュニティも、豊かな生き方には重要なんです。企業の体質や、組織のあり方が変わったら、いきいきと働き、生きる人が増えるはず。私たちが外部から入って、組織に新しい風が吹くのを体験してほしいですね。
実際に、半年間コミュニティマネージャーとして入った会社では、出社率が劇的に向上しました。社員のエンゲージメントが高まり、コミュニケーションが活発になって、プロジェクトが上手く早く回り始めることができ、この事例には希望を感じました。
そこで、どうやって私たちの存在を知ってもらえるかを「親友」である田中経営会計事務所の人たちと考えていきたいです。これから、新たにつながる人たちにおもしろがってもらいながら、ネットワークを広げていきたいと思っています。
杉原 惠さん
一般社団法人my turn 代表理事/コミュニティデザイナー
子育て中のお母さんのスキルを社会につなぐ場や機会をつくる仕掛人。客室乗務員(CA)として勤めたのち、出産後、退職。肩書も収入もなくなり、女性のキャリアの活かし方に悩んだ経験から、2020年に一般社団法人my turnを設立。 子育て中だからこその視点や時間の使い方に価値を感じ、企業から業務を請け負い、育児中の元CAが在宅で働ける仕組みをつくる。 一方、自分の周りに、ものづくりなどの高いスキルを持った母親が多いことに気づき、彼女たちが活躍できる場をつくる。 定期的にマルシェを開催したり、企業と協働して商品開発などにも取り組む。 コミュニティデザイナーとして人だけの関係性だけではなく、人と自然、人と社会、モノ・コトの「間」をつなぎ新しいコミュニティのカタチをデザインしている。 「自分を活かして愉快に生きる」ことをチームのミッションに掲げ、自分も社会(地域・自然環境・未来)も喜ぶビジネスを実践中。 my turnメンバーそれぞれが多様な視点を活かし合うことでプロジェクトごとにリーダーが立ち上がり、次世代に「心の豊さ」を伝えるきっかけとなるよう、エシカルタウン京都の実現に向けて活動中。
(インタビュー・文:YELLFOR)
2024.07.31