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税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと

2024.10.27

freee友だちから見た田中会計顧問先インタビュー

頼りにしたいのは、税理士らしからぬ税理士


「営業大好き、ゴリゴリの爽やか体育会系やで」という事前情報のもとお話を伺ったのは、株式会社Legacy'll(レガシル)の玉置博記さん。

楽天株式会社と、株式会社セールスフォース・ジャパンで13年の営業経験を積み、インサイドセールス*を強みに独立。

確かにゴリゴリです。でもなんだろう、現れた瞬間、頭のてっぺんから爪の先まで、すーっと風が吹き抜けるような爽やかさを感じます。

法人設立に向けて準備する中で、誰からの紹介もなく自ら田中経営会計事務所(以下、田中会計)を見つけ出したという玉置さん。約1年半、田中会計の伴走は玉置さんの目にどのように映っているのでしょうか。

税理士「+α」の部分を尊敬しています。

ー 玉置さんは田中会計をどのような経緯で見つけられたんですか?

玉置:会計ソフトの「freee」で税理士さんを検索できる機能があって、「30代」とか「クラウドに強い」といったワードを入れて探していたんですよね。税理士さんのこととか、誰に相談するとか、選び方が全然わからなかったので、色んな方を見てみようと思って、10人くらいの税理士の先生と面談させてもらいました。その中で一番印象に残ったのが田中先生です。

田中:10人!えぇぇ…すごない?(どや顔でこっち見てくる)

玉置:自分自身、日頃の仕事ではいかに「付加価値」を付けられるかを大切にしています。税理士さんのメイン業務はお金周りの面倒を見ることだと思うんですが、税務処理以上の+αの部分で、僕が吸収できることないかなーと思ったりもしていて。

田中先生は総務や人事の知識があったり、中小企業診断士の資格を持っていたりするじゃないですか。それに、バックオフィスの専門家が集まるコミュニティもお持ちだと聞いて、すごくいいな!と思ったんです。そこから是非何か学ばせてもらえたらなと。

田中:そういった点を評価していただけるんは嬉しいね。確かに、税務以外の経営面でサポートできることがないかなっていつも考えているので。


玉置:他に面談した先生方は、開口一番「節税で」と言い出す方もいれば、分厚い資料を一字一句読み上げる方もいました。税務サポートについて聞いた内容は正直なところどなたも大差なかったのですが、田中先生は唯一、ご自身のバックグラウンドや大切にしていることをストーリーとしてちゃんと説明してくださったので、そこが僕にとってはすごく良かったです。

税理士の業務以外にもSOU-MU NIGHTなど色んな場に出向かれている点が僕としては面白いなと思いましたし、経営者の先輩として尊敬できる部分があるなとも思いました。

ー もうこれはプレゼン勝ちっすね!

田中:パワポ様々やな。

玉置: それと、やっぱり節税節税言わないところも良かったです(笑)。ちゃんと利益を出すことの大事さを教えていただきました。「社長!」とゴマをすりまくる方もいる中で、「ちゃんと利益を残す経営をしましょう」と言ってくれたのは僕の価値観に合っていましたね。


田中:価値観が合うかどうかはとても大事だと思う。本人が望むときは最低限の節税は当然お手伝いするんだけど、お金がなくなるような対策はやめた方がいいっていうのが僕の基本姿勢かな。最初の3期目ぐらいまではきっちり利益を出して、税金を納めて、まずは会社としての"基礎体力”をつけましょうと伝えます。しっかり資金を貯めていかないと、その後の基盤ができないんですよね。

節税についてはメリット、デメリット両方話します。確かに節税になるんだけど、後々こういうことが起きる可能性はあるよーと、必ずセットで話すようにしてる。

玉置:経営者の端くれとしても、会社としても、価値観やスタンスを固めないとなと考えています。そうじゃないと人間としても大きくなれないかなと思うんです。そういう意味では、田中先生はすごく尊敬できる方かな。

田中:(にこにこ…ニヤニヤ…)わかりにくいってよう言われるけど、今めっちゃ喜んでるんやからな、この顔は。

ー 大丈夫、嬉しい顔、出てますわ。

事業を深める時間があるのは田中会計としても理想的!

ー 起業の準備段階で慎さんと出会われたんですよね。設立してから1年半ほどになりますが、田中会計との打ち合わせはどんなことを話すんですか?

玉置:税務的なことはもちろんですが、今の状況を見ながら事業の方向性についてもアドバイスいただいています

いつまでにどういう姿を目指していくのか、そのためには何が必要になるのか、といったお話をしていただけます。もっと視野を広げて事業を運営していければなと思いますね。

田中:少なくとも最初の1年は税務とか会計面が主で、とにかく整える。立ち上げ時はたくさん質問したいと思うから、通常2ヶ月に1回のミーティングも毎月して

法人設立時の手続きってかなり複雑なので、説明はしながらも「こちらでもう大体やっときますね」という流れになるんだけど、玉置さんがおもしろいのは、「これってどういう意味があってやっているんですか?」とめちゃくちゃ聞いてくれるところ。

玉置:あぁー、確かに聞きますね。


田中よくわからないけど税理士さんがやってくれた、で終わるんじゃなくて、自分でまずはちゃんと理解したいという意識があるのがとても良いなと思って見てる。

で、やっぱり会計処理についても同様で、教えたことはちゃんと完璧にやってくれてるのよ。だから、ミーティングで会計の話をする時間が短くて済むねん。そのぶん事業の話を深めることができるのは、うちにとってもやっぱり理想的なんよね。

玉置:先生のコミュニティの話を聞くこともありますよね。僕は今は1人でやってるので、自分に対して刺激を与えて視野を広げる機会は意識しないとなかなか作れないんですよ。

例えば、こんなイベントがあるよとか、知り合いでこういうことやってるよといった新しい取り組みをたくさん教えてくださるので、まさに僕が求めていた「+α」をたくさんいただけたのが良いと思います。

田中:時々飲みに行っても、結局コミュニティの話してるしね(笑)


玉置:飲みに行くのもね、多方面から人を連れてきて引き合わせていただくことがありますし。

田中:お互いに新しい刺激になるかな〜と思うときは、ちょっとセッティングすることもあるかな。

ー なるほど、ただの飲みでは終わらせないってことですね。メモメモ。

田中:急にメモったんそこなんや。

これからも税理士らしからぬ感じでよろしくお願いします

ー 事業の話って、何年先までの話をするんですか?それとも期限のないもっとおっきな話?

田中:僕の場合は長くても3〜5年くらいかな。会計の視点でもだいたい3年先の数字から考えるし。例えば「3年先に社員が5人欲しい」だったら、逆算してこういう組み立てで進めないといけないねって

事業のことは玉置さんよく考えてやってはるし、僕は導いてるわけではなくて壁打ち相手やな、単純に。「来年どうしますー?」ってラフに話している間に玉置さん自身のなかでも整理できたりするから。

玉置:まさにね、今おっしゃった“問い”みたいなのが、1人で考えていても浮かんでこないんですよね。色々な事業主さんを見られている先生と話していると、自分にはない角度で考える機会をいただけます


田中:玉置さんは1人でやっていこうと思ったら、問題なくやっていけるはずの人。だから、この先事業をどう展開するの?Legacy'llの価値をどう届けていくの?といった問いが浮かんだ時に、人を雇うのか、そうじゃない方法があるのか、その考えを聞くのが逆に楽しみなんよね。

ー 仕事関係なしに、慎さんがシンプルに興味あるってことですね。

田中:そう、ただただ興味ある(笑)。だけど会社の展望を知っとくのって、結局今の決算をどう持っていくかに繋がっていくから、数字を作っていくためにもこういう話って大事かな。

玉置:僕、実は3年後、5年後、立派にこうなってる!みたいなイメージはあんまり持ってなくて。

むしろ独立した時はまだお客さんが1社も確定してなくて、1年後にはのたれ死んでるかもしれないなーという状況だったので、「とりあえずどうなるかわからんけど失敗したら失敗したでネタになるし!やらんよりはいいかな!」と吹っ切ってました(笑)。まずはちゃんとお客さんに向き合っていくことを大事にして、この1年半は過ごしてきました。

田中:独立して良かったですか?

玉置:めっちゃ良かったです!前職では終盤にマネージャーをやらせていただいていたのですが、1日15回、30分単位でミーティングが入ってきて、なんならもう被って設定されてるし(笑)、予定表が詰まりすぎてテトリスみたいになってたんですよね。

それが2、3年続いて、考える暇もなくて、ひたすらこなすだけになって、余白の時間を持って考えないとダメだなーと。独立したらある程度余裕ができて、考える時間とか、インプットをする時間、どこかに行って刺激を受ける時間をつくれたことが、すごく良かったなって思います。


ー 今後の展望はありますか?

玉置:営業としてどうなんだって感じではあるんですが、数値的な目標はあえて立てません。僕、性格的に目標を立てたら、全てを切り捨ててでもそこに向けてプロセスをギチギチに立ててやらないと気がすまないんですね。

もっと色々な人に出会って、もっと広い世界を見て自分の学びを増やしていきたいし、それをお客さんに還元したいっていう思いが、独立した今は強いです。

だから僕の展望は、スモールビジネスで目の前のお客さんとしっかり向き合うことと、少しでもインサイドセールスのマーケットを盛り上げていきたいってことですかね。なんだか抽象的なんですけど…。

田中:たしかに数字をコレって決めたら絶対計画立てて走り続けるんだろうなっていうのがよく分かります。でも自分もそれが嫌だってちゃんと分かってるところあるよね。

玉置:そうなんですよー。営業同士でパイの奪い合いをしても仕方ないし、僕はインサイドセールスのマーケットを拡大していくような裏方的存在になりたいかな。

田中先生からの学びを活かして、僕もインサイドセールスのコミュニティを今年関西で立ち上げたいなと思っているんですよ!営業のやり方をお互いにシェアすることで、お客さんの発展につながるような提案をみんなができるようになる場です。そしたら営業さん、お客さん、どちらも成長できますよね。

田中:めっちゃええやん。

玉置:業界の傾向として、手の内を明かさないように同業種のコミュニティを避ける方も少なくないのですが、成果を出してる営業さんほど仕事を早く終わらせて飲みに行って、そこで得た刺激を次に活かすクリエイティブさを持っています。

コミュニティを通して色々な人との出会いをコーディネートできれば、きっと外へ出たくなると思うんですよね。みんなでパフォーマンスを上げていける仕掛けを考えていきたいです。田中先生はコミュニティづくりをすごくされているし…そっちが本業なんじゃないかっていうくらい。なんなら会社も作ってるし。

田中:そう、謎の会社ね(笑)。インサイドセールスのコミュニティってすごく面白そうだし、絶対間違ってないと思う。コミュニティ運営で失敗しやすいポイントとか、僕らの経験は惜しみなくお伝えするし、一緒に盛り上げていければいいですね。

もっとゴリゴリに暑苦しく、マシンガンのごとく喋り続けるんじゃないかと思いきや(失礼)、落ち着いて一歩一歩踏みしめることを楽しんでいるような、そんな玉置さんでした。

同時に、(多分だけど)微笑みながら静かに見守る慎さん。二人の堅く築かれた信頼関係を垣間見たような気がします。

玉置さんが作るインサイドセールスコミュニティは、慎さんとの壁打ちを経てどのように発展するのでしょうか!?期待して待つとしましょう。

以上、田中会計の顧問先インタビュー第3弾でした。次回はどんな方が登場するのでしょうか!?おたのしみに。

*インサイドセールス:内勤営業。電話、メール、オンライン商談ツールなどを活用し非対面の営業スタイル。見込み・ニーズ発掘〜接点獲得〜面談〜提案〜受注という営業が抱えるたくさんのフローの前半を担うことで、面談以降の受注確率を上げていく役目でもある。

協力:株式会社Legacy'll webサイト
文・写真:宮内 めぐみ

2024.10.27