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税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと税理士 / 中小企業診断士 / イノベーション・コーディネーターとして働く中で田中慎が考えたこと・感じたこと

2012.02.09

税務会計

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

住宅購入のための資金を子や孫に贈与する場合には、一定の要件を満たせば贈与税が非課税となる措置があります。

贈与者側の要件

資金を出すおじいちゃんおばあちゃん、もしくは父母に関しては特に要件がありません。
これは相続時精算課税が贈与者を65歳以上に制限していることに比べて大きな特徴です。

受贈者側の要件

資金をもらう子や孫については、以下のすべての要件を満たしていることが必要です。
①贈与時に日本国内に住所を有すること。
②贈与時に贈与をした者の直系卑属であること。
③贈与を受けた年の1月1日に20歳以上であること。
④贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下であること。

①については住所を有していない場合でも日本国籍を有していて、受贈者か贈与者が贈与前5年以内に日本国内に住所を有していたことがある場合には適用があります。

控除額

平成23年分は1000万円が非課税とされていましたが、条文上平成23年12月31日までの措置とされていたため、平成24年分以後は非課税措置がどうなるかが問題でした。
平成24年以降については平成24年度税制改正大綱において継続・拡充する内容が盛り込まれています。ただし、3月の国会で成立するまでは確定ではありませんので注意が必要です。

平成24年度税制改正大綱
(相続税・贈与税)
○ 若年世代への資産の早期移転や省エネルギー性・耐震性を備えた良質な住宅ストックを形
成する観点から、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を拡充・延長する。
平成 24 年   平成 25 年  平成 26 年
・ 特別枠(省エネ・耐震住宅): 1,500 万円  1,200 万円  1,000 万円
・ 一般枠         : 1,000 万円   700 万円   500 万円

仮に祖父と父の両方から1000万円ずつ贈与を受けた場合、各1000万円ずつ、合計2000万円非課税にできるのかといえばそうではありません。もらう人について合計1000万円が非課税限度になります。
混同しやすいのは相続時精算課税についてはあげる人につき各2500万円までが非課税となっている点です。

また、この非課税措置は暦年課税、相続時精算課税のどちらを選択していても適用があります。
住宅資金贈与をする場合、どのように資金を提供するかはよく検討する必要があります。

2012.02.09