2012.06.13
税務会計
久しぶりの医療費控除ですね。不定期ですが、まだまだ続きます。
これまで妊婦検診の医療費控除などの話をしましたが、今回は出産費用についてです。
出産して入院費用を支払った場合、ほとんどの人が支給を受けるのが、健康保険組合などからの「出産育児一時金」です。
現在はあらかじめ出産費用を用意しなくてもいいように、健康保険組合などから医療機関へ直接支払ようになっています。(一部医療機関では直接支払制度に対応していません。)
支給額は42万円ですので、出産費用の大部分は「出産育児一時金」で賄えると思います。
出産費用から「出産育児一時金」を控除して、なお支払う出産費用については医療費控除の対象です。
当然、「出産育児一時金」部分については自分が負担していませんので、医療費控除の対象となる医療費から差し引かなくてはいけません。
このように医療費から差し引くものを「医療費を補てんする保険金等の金額」といいます。
ところが、同じように出産に関連して健康保険組合などから、出産した人本人の欠勤中の給与の減額分を補てんするために支給される「出産一時金」は差し引きません。
これは、「医療費の補てん」ではなく「給与の減額の補てん」だからです。
あくまで医療費の補てんに該当するものだけを差し引くというのが基本的な考え方です。
そのほかにも、何を差し引かなければならないのか悩む点がありますので、またの機会に。
国税庁のホームページにも医療費控除の対象となる出産費用の具体例が記載されていますので、参考にしてください。
No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例|所得税|国税庁
【参考】
所得税法第73条(医療費控除)
所得税法施行令第207条(医療費の範囲)
所得税法基本通達73-3(控除の対象となる医療費の範囲)
所得税法基本通達73-8(医療費を補てんする保険金等)
所得税法基本通達73-9(医療費を補てんする保険金等にあたらないもの)
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2012.06.13