2012.03.01
税務会計
先日の税理士証票伝達式で税理士法第一条の説明がありました。
もちろん今までも第一条くらいは知っていたのですが、税理士試験に税理士法は含まれておらず、きちんと勉強したことはありませんでした。6月の登録時研修にて勉強するようですので楽しみにしておきたいと思います。
さて、税理士法は税理士制度について定めており、税理士の権利、果たすべき義務が規定されています。その第一条では税理士の使命を規定しています。
(税理士の使命)第一条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
税理士業務は社会的、公共的な性格をもつため、有償のみならず無償であっても税理士のみが営める独占業務とされています。税理士に対しこのような職業上の特権を与えると同時に、これに伴うさまざまな義務を課しています。税務に関する専門家であり、公正な判断と良識をもつことが要求され、納税義務者から依頼を受けているからといって、納税義務者に不当に有利な申告をすることは許されません。「税務に関する専門家として、独立した公正な立場」を守ることで職業上の特権が許されているのです。
納税は国民の義務であり、所得税・法人税などの国税では納税義務者自らが申告をする申告納税制度を採用しています。しかしながら、その根拠となる税法は複雑で、毎年改正も行われるため納税義務者が正確に把握することは困難です。
そのため、国は税務に関する専門家として税理士制度を創設し、税理士が納税義務者の代理などをして、納税義務者の信頼に応え、納税義務が正しく履行されるように努めることで、申告納税制度を円滑に運営しようとしています。
税理士の使命は「租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ること」です。
憲法30条において納税義務が定められ、
第30条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
憲法84条において租税は法律に定めることによって課される租税法律主義が規定され、
第84条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
これらをもとに各種税法において「租税に関する法令に規定された納税義務」が定められています。その「適正な実現を図ること」が税理士の使命です。
以上のことから、税理士法第一条では税理士は国側、納税義務者側の利害にかたよることなく、自らの独立した公正な判断に従うべきことが規定されています。
詳しくは、またの機会に。
2012.03.01